IEEE「MTT-Sat Challenge」への参加

超小型衛星での大面積アンテナへの挑戦

 OrigamiSat-1で用いられた展開膜構造上に小さなアンテナ素子を並べて配置し,ひとつの大きなアンテナとして動かすことが出来れば小さな衛星でも高性能なアンテナを利用することが出来る.通信衛星ネットワークの構築に向けて,多くの企業が大量に通信衛星を打ち上げる中,衛星サイズを落とすことが可能になれば大きなコストダウンとなる.

OrigamiSat-1で得た技術を武器に,新たなフィールドで闘う

 OrigamiSat-1が目指した超小型衛星での軌道上多機能膜利用.IEEEのMTT-Sat Challenge[1]という開発機会において,さらにそれを高性能開口面アンテナとして昇華させるため日々課題に向け取り組んでいる.
 小型の素子アンテナを膜面上に貼付し,軌道上で展開する.OrigamiSat-1の展開方式は膜面に大きな張力を作用させるわけではないので,パラボラアンテナのような滑らかな反射面は用意できない.しかし素子アンテナであれば膜面上に構築し,折りたたむことが可能である.さらに張力をかけない構造である分,収納性が高く大型化が可能である.
 小さなアンテナでも,その力が重なり合うことで宇宙と地球を繋ぐほどのパワーになる.我々が目指しているアンテナはまさにそのようなものである.小さなアンテナそれぞれを制御し,いわゆる回折格子のような「波の強めあい現象」を起こすことで強力なアンテナとなる.開発においてもチーム一人一人の力を重ね合わせ,この力を宇宙まで届かせたい.

実現に向けたプロトタイプの作成

 開発は2024年打ち上げを目指して実施しており,現在PoC(実現性の証明)段階となっている.プロトタイプを作成しどのような試験を実施すれば宇宙で動作できることが確認できるかを検討している.自らの力でこのプロジェクトを推し進めたいと考えているメンバーの参加を待ち望んでいる.

サンプル

参考資料

[1] Welcome to the IEEE MTT-Sat Challenge, https://www.mtt.org/mttsat/index.html