発表論文リストはこちら.List of Publications is here.
SDDL宇宙システム 研究グループ
坂本啓 教授をPI (Principal Investigator)とするSDDL宇宙システム研究グループでは,主に下記の4つの研究課題に取り組んでいます.
本グループでは,宇宙空間で巨大な建造物を構築する,そのために必要な理論・解析法を開発しながら,JAXAの衛星プロジェクトに参加,あるいは独自に超小型衛星開発を主導して,新たな宇宙システムの設計手法を実践的に創り上げています.
研究に取り組む大学院生・学部4年生たちが,自分たちの研究テーマの紹介文を以下に執筆しました(研究テーマ名をクリックすると説明ページへジャンプ).
0. 超小型衛星を用いた自分たちの手による宇宙実証
1. 超軽量・高収納率を実現する宇宙膜構造物
2. 新たな宇宙アンテナ技術の開発
3. 大規模宇宙システム構築のためのモデリング
※研究室選びのアドバイス(坂本准教授より)
0. 超小型衛星を用いた自分たちの手による宇宙実証
新たな宇宙建造物を構築する実証実験を,自分たちで手を動かしてモノ(CubeSatやミッション機器)を作り,宇宙空間で実施します.
-JAXA革新3号機搭載の |
-IEEE「MTT-Sat Challenge」への参加- |
-3UキューブサットOrigamiSat-1の開発- |
-CanSatプロジェクト- |
-次期人工衛星の開発(OrigamiSat-2)- |
1. 超軽量・高収納率を実現する宇宙膜構造物
ソーラー電力セイルIKAROSに代表される宇宙膜面構造物を実現させる方法論の構築に取り組んでいます.
-大型ソーラーセイルの収納法- |
-テキスタイル(繊維膜)を用いた |
-ソーラー電力セイルの展開ダイナミクスと形状予測- |
2. 新たな宇宙アンテナ技術の開発
大口径の宇宙アンテナはロケットに搭載するため一度たたむ必要があり,宇宙での展開後に高い形状精度を達成することが難しいです.そこでSDDLでは,能動的なリフレクタの形状制御と,アレーアンテナでの電気的な位相補償の両方に取り組んでいます.
-多機能展開膜面上でのアレーアンテナ技術- |
-形状可変式の電波天文学アンテナ- |
3. 大規模宇宙システム構築のためのモデリング
太陽発電衛星,深宇宙有人拠点,フォーメーションフライトする衛星群などの,大規模・複雑な宇宙システム建造過程のモデリングに取り組んでいます.
-ランデブーを考慮した宇宙物流モデル- |
-太陽発電衛星の静止軌道への軌道遷移法- |
-小型衛星フォーメンションフライトの動解析- |
研究室選びのアドバイス(坂本教授より)
SDDL(動設計学研究室)は基本的に学生の自主運営です.大学院の先輩たちと協力しながら,より良い研究環境を自分たちで作って下さい.(教員がお願いするのは週1回程度の研究進捗報告と,午前10時〜午後4時のコアタイム.)
研究および研究室活動全般の課題に対して,自ら活躍の動機を持ち,解決する計画を自主的に立てて実行する人に対して,教員が知識・経験(&資金)の面でサポートします.まだ経験の少ない皆さんにとっては何事も簡単ではないと思いますが,それでもSDDLの学生はこれまで,企業・JAXAとの共同研究の主体を担ったり,海外で研究発表/共同研究参加を立派に実施しています.だから,やる気さえあればみんなもきっとできるようになります.自分もそういうことがしてみたい,と思う人はぜひ,SDDLを訪れてください.
研究テーマについて
学部4年生の研究テーマは,既存のテーマを担当してもらうことが多いですが,稀に学生自身の強い希望で独自テーマを立ててもらうこともあります.一方,大学院生については,入試説明会などでいつも以下を説明しています.
SDDLでは修士1年の1年間をかけて,自力で研究テーマを見つけてもらうことを通常お願いしています.研究は「自分ごと」として,圧倒的当事者意識を持って行うことが重要と考えるからです.ですので,入学前に事前に知識を得てくるのであれば,自分で興味がある文献(論文,本)をどんどん読んでおいていただければと思います.一般的な話として,大学院に来る準備ができていないなあと感じる学生さんは以下の2点が欠けていると思っていますので,特にしっかりお願いします.
(1)問題発見と問題解決方法(=研究の方法)の習得(2)自身のキャリア形成に対するモチベーション
(1)は,とにかくしっかり卒論で成果を出して,研究の実践を通して習得していただくしかないかなと.そしてその成果で学会発表をする.さらに,英語論文を書いて,国際学会に出る.ここまでやると,一通りの「研究」のプロセスを体験できますので,その経験を持って修士に来ると,修士の2年間でものすごく研究が進むと思います.(卒論で国際学会まで行けるケースは非常に稀ですが,ぜひその稀な例になる勢いで卒論に取り組んでいただければと思います.)
(2)は,「修士でがっつり研究成果を出したとして,その後の自身の人生にどういうメリットがあるのか?」という問いについて,おぼろげでも回答を持っている学生と,持っていない学生では,大学院での研究のパフォーマンスに大きな差が出ます.修士課程で研究するという行為を通して,自身をどんな高みに持っていきたいのか,できるだけビジョンを明確に持てるよう,多くの人と話し,多くの情報を吸収して教養を深めることが何より重要かと思います.
修士課程は最初の1年間で,SDDLで走っている研究プロジェクトにいろいろ首をつっこんでもらい,先輩らを手伝いながら,自分独自の貢献ができる部分を見つけてもらいます.自分に何か「強み」があり,(1)で問題解決プロセスを理解していて,(2)のモチベーションがあれば,どこに参加しても貢献できると思います.「強み」は,モノ作りとか,プログラミングスキルとか,解析力学とか,数学力とか,なんでも良いので,研究仲間から信頼や尊敬を得られるようなものでしたらと思います.
いろいろ書きましたが,大学院受験者へのアドバイスとしては,とにかく卒論を楽しんでいただくこと,それに尽きるかなと.Good luck! (坂本啓)
Research Activities at SDDL
The research activities at SDDL mainly involve the following three topics. Click here for a list of published papers.
1. Dynamics of mechanical structures
(link to Prof. Okuma's website)2. Acoustics
(link to Prof. Okuma's website)3. Space systems
(move to the bottom of this page)List of Publications is here.
SDDL Space System Research Group
The SDDL Space Systems Research Group, with Prof. Sakamoto as PI (Principal Investigator), is mainly working on the following four research subjects.
This group is creating design methods for innovative space systems through practical activities, aiming to enable the construction of huge space structural systems in the near future. The activities involve the development of theoretical and analytical methods; the participation in JAXA’s satellite projects; and the development and operation of nanosatellite.
(Click the name of the research topics to jump to the explanation page.)
0. Space demonstration by our own hands using nanosatellites
1. Space membrane structures that realize ultralightweight and high packaging efficiency
2. Development of new space antenna technology
3. Modeling for the construction of large-scale space systems
0. Space demonstration by our own hands using nanosatellites
SDDL space group develops CubeSat and mission components for demonstrating own research outcomes actually in space.
-Participation in IEEE "MTT-Sat Challenge"- |
-Development and operation of 3U CubeSat OrigamiSat-1- |
-CanSat projects- |
1. Development of innovative space membrane structures
SDDL is working on the development of methodologies to realize space membrane deployable structures, represented by the solar power sail IKAROS.
-Storage methods for large solar sails- |
-New space structures made of textiles (woven fibers)- |
-Deployment dynamics and shape prediction of solar power sail-
|
2. Development of new space antenna technology
Large space antennas have to be compactly folded and stowed on a rocket. As a result, it is difficult to achieve high shape-accuracy after their deployment in space. SDDL is working on both active shape control of space reflectors; and electrical phase compensation in array antennas.
-Array antenna technology attached on multi-functional deployable membranes- |
-Active shape control of radio astronomy antennas- |
3. Modeling for the construction of large-scale space systems
Our group is working on modeling large-scale and complex space system construction processes, such as solar power satellites, deep-space manned bases, and formation flying satellites.
-Space logistics models considering rendezvous- |
-Orbit transition methods for solar power satellite construction in geosynchronous orbit- |
-Dynamic analysis of small satellites’ formation flight- |