大型ソーラーセイルの収納法

研究背景・先行研究

 近年宇宙探査における衛星形態としてソーラーセイルが着目されている.ソーラーセイルは軌道上で大面積の膜面を展張し,太陽光圧を推進力とすることで衛星を加速し,宇宙探査に用いるものである.2010年にJAXAは小型ソーラー電力セイル実証機IKAROSによりソーラーセイルの基礎技術を実証し,次期ソーラーセイルに関する検討が進められている.  次期ソーラーセイルにおける設計要求として,セイルの大型化,太陽電池セルの貼付面積の増加,IKAROSと同様の折り畳み収納の適用が挙げられており,セイル収納時の膜の厚さの影響増加が予想される.厚さの影響増加による弊害として,収納再現性の低下や巻きむらの発生が懸念されており,これらを解決する収納方法の開発が求められている.
 
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SDDLでの研究成果

 JAXAソーラーセイルWGと連携し,次期ソーラーセイルに向けた収納装置開発や10mクラスの膜面を使用した収納実験を実施している.厚さの影響を考慮した既往の収納方法を整理するとともに,新たな収納方法として"Bulging Roll-Up"を提案した.[1]また本手法を大型膜面を用いた収納実験を実施し,収納再現性が向上することを示した.[2]

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発表論文

[1] H. Sakamoto, M. C. Natori, S. Kadonishi, Y. Satou, Y. Shirasawa, N. Okuizumi, O. Mori, H. Furuya, M. Okuma, "Folding Patterns of Planar Gossamer Space Structures Consisting of Membranes and Booms", Acta Astronautica, Vol. 94, Issue 1, Jan.-Feb. 2014, Pages 34-41.
[2] H. Sakamoto, S. Kadonishi, Y. Satou, H. Furuya, Y. Shirasawa, N. Okuizumi, O. Mori, H. Sawada, J. Matsumoto, Y. Miyazaki, M. Okuma, "Development of Repeatable Storage Method for a Large Solar Sail," Transactions of Japan Society for Aeronautical and Space Sciences, Aerospace Technology Japan, Vol. 12, No. ists29, 2014, pp. Pc_75-Pc_82.